2024年4月後半の記録

4月後半に観たもの読んだもの記録

▶観たもの ダージリン急行

そういえばDプラ入ったならウェス作品いっぱい観れるな!と思い出したので、とりあえず一番観たかったものから。構図や色合いに今のウェス作品の面影を感じるけれど、まだそこまでパキッと決めてきてる感じはなく、それがかえって人間くさい内容に合ってたなあという印象。ほかの初期作品を観れてないからダージリン急行がそうだっただけなのかな?ともかく、スタイリッシュというよりレトロなフィルム写真みたいなあたたかみのある映像だった。
父親の葬式をきっかけに疎遠になっていた三兄弟がインドへの旅を通して絆を取り戻していく……という筋書き。全然信用し合ってない兄弟たちなので色んな事件は起きるけど、基本的には気楽な雰囲気でゆるく楽しめる。「過去のことばかり抱え込まずに今を身軽に生きてこう」というメッセージが伝わってくるラストシーン、とても良い。エンドロールで流れるオー・シャンゼリゼも最高だった。内容の善し悪しと関係なく、最後の曲にすべて持って行かれる作品ってあるよね。もしこれから観るなら冒頭の列車に乗り込むシーンはぜひ覚えておいてほしい。
▶読んだもの

狼の幸せ / パオロ・コニェッティ
ロマンチストなおじさんの話だったのでところどころうん…とはなったけど、山の描写、雪の描写、諸々表現がすごくきれいで、自分に合う文章で読み心地が良かった。読みながら、子どものころ年に一度はスキーに連れられていたことを思い出した。運動は嫌いだけどスキー場はすごく好きで、リフトの上から見える点々と散らばる人や建物、真っ白で広大な雪景色、雑多に人が集まるレストラン、一歩外れると現れる手つかずな森が頭のかたすみに浮かんでいた。狭いし坂が急だから滑るのは怖かったけど、景色としては林間コースも好きだったな〜。針葉樹とか、冬の荒涼とした景色が好きなのはスキー場の影響かも。夜のお土産屋さんもすごく雰囲気があったなあ。
とにかく自分の思い出を想起されたこともあって、好きになれた一冊だった。山に限らず普段の生活から切り離された自然そのものな場所ってある種ファンタジー。もちろんそこで生活してる人には現実だけど。

すべての月、すべての年 / ルシア・ベルリン
『掃除婦のための手引き書』に引き続きルシア・ベルリン。どれだけつらい出来事が連続して降り掛かろうとも事象を事象として受け流し、決して絶望はしていないこの感じ。過去の振り返りのような視点で書かれているからかな。淡々と受け止めているようでいてどこかあたたかささえ内包しているような視点はいったいどう解釈したらいいんだろう…と思っていたのだけど、わたしの大好きな一曲『Hand in my pocket』と似ているんじゃないか?と考えたらすごく腑に落ちた。


electrickeys.blog.jp

アラニス・モリセットの『Hand in my pocket』で歌われているのは「環境とか自分自身とかどうしようもないことはたくさんあるけど大丈夫、もう片方の手は自由なんだから」ということで、この曲はルシア・ベルリンの小説と同じ魂を持っている気がする。(洋楽ほぼ聴かないのにこの一曲は本当に大好きで聴くたびに励まされている。ここに描かれてる様々な感情…身に覚えがありすぎる…と考えながら観ていた『レディ・バード』でこの曲が挿入歌として使われていて、え!?わたしのための映画!?と思って涙腺が壊れた。余談!)


来週スパコミ!いいなー!わたしは現地行けないのでお使いお願いする予定。現地行きたすぎる!!!!!代わりにNavio見ながらめっちゃ興奮している。サークルめちゃくちゃある!って……。流行ってるジャンルに薄いブック買いに行くくらいハマることってあんまりないから、景気の良さをこの目で確かめたい気持ちがすごくある。秋……秋行きたかったけどやっぱ無理な気しかしないから冬に賭けるかな……。それまで自分の熱が持続してるか?とは思うけど、社会人の一年って死ぬほど速いからな。s2始まる前にわたしも一冊出したいなー。厚くて薄い文庫ブック作りてぇ~~~~。

逆転裁判4の記録

再プレイした逆転裁判4の感想。ネタバレありです。思いのままだらーっと書いたので支離滅裂!長い!

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買ってからちゃんと手をつけられていなかった王泥喜セレクションを進めていて、先日逆転裁判4をクリアした。DS時代に一度クリアしているので今回は再プレイなのだけど、忘れているところもかなりあったので新鮮な気持ちで挑むことができた。やり直して思ったのは、メイソンシステムの演出カッケ〜〜〜〜〜〜!!!で、これは初めて触った時も感じてたし、なにより真面目モードのなるほどくんが良すぎてね…。

感想っていうか4に対する気持ちなんだけど…。わたしは4から逆裁シリーズに足を踏み入れたファンなので4の叩かれっぷりが悲しい…と日々感じている。まあ何も知らなかったからこそ今も大好きでいられるのかも。当時の自分の逆裁知識なんておもしろフラッシュ倉庫の2ちゃんパロしかなかったから…。ダルホド~に関しては最初から最後まで「何この人…意味深すぎる…」と思いながらプレイしていた。そして影のあるキャラが好きなので普通に萌えていたし、成歩堂親子にめちゃくちゃハマって逆裁サーチ(もうない。マジで悲しい)でひたすら二次創作を漁っていた。
後から1〜3をやってみて、たしかにこの濃さでなるほどくんと付き合ってたら4の変貌ぶりに怒る人がいるのは仕方ないよな…という気持ちになった。しかも弁護士バッジ剥奪って3から3ヶ月くらいのことだし…。タクシューが上からなるほどくん出せと言われたっぽいので、大人って大変だ…本当に…。タクシューは続編に関わってないけれど、4がなかったことにされてないのが非常に好感が持てる。

4のみぬきちゃんとなるほどくんの関係は親子であると同時に共犯関係って雰囲気で、その上他者(オドロキくん)を警戒するような排他的な空気も感じ取ってしまい、関係性のオタクはめちゃくちゃよだれをたらしてしまいます。もちろんちゃんと親子だったと思うけど、この7年間にいたってはそれだけではない感じを勝手に見出してしまう。みぬきちゃんの能力を「使えるものは使う」って言ってるのが…ね!みぬきちゃんは自分の特殊能力に苦しんでいたこともあると思う。実際ザックも優海さんの見抜く能力に関しては怖いと言っていたし、娘に対しても同じ気持ちを抱いていたんじゃないか。そんなザックの恐怖を一番近くにいたみぬきちゃんが見抜いていないわけがない。だから見抜く能力を肯定してあげるのはみぬきちゃんの存在を肯定してあげるのと同義だと考えて、なるほどくんも積極的にその能力を生かしてたのでは…と妄想を広げてみる。
だいたい、利用されたとはいえ自分のせいで今のパパは未来を奪われていたなんて、自覚した時めちゃくちゃしんどいと思うんですよ。なのに目の前の男の人は一切自分を責めないし、挙げ句の果てに新しいパパになってくれた。よく考えたらわけわかんないよ!なんで?優しすぎて怖い!ってなる。わたしなら。全部妄想ですが…。そういう意味でも役割を与えてもらえるのはみぬきちゃんにとって安心できることで、4までの成歩堂親子は純粋な親子関係よりもお互いwin-winな関係であると考えてしまう。
それと、オドロキくんがうさんくさい親子だ…と思っていたとおり、なるほどくんはあえてダメなパパを演じ、頼りないパパとしっかり者の娘っていうロールプレイをしてたんじゃないかなぁ〜。物心ついた時にはママがいなくて、とうとう父親も消えてしまったちっちゃいみぬきちゃんにとって、どこにも行かない安全パイな親は何よりも求める存在。そんなみぬきちゃんのためになるほどくんは『みぬきがいないとダメなパパ』を与えていたのかな〜と思うとなんかこう…やっぱり単純に仲良し親子とは言い切れないただならぬものを感じて胸をかきむしりたくなる(萌えすぎて)。もちろんこの7年で築いた親子としての愛情のでかさにも心打たれるけれど!「あの子の本当の姿を知ってるのはぼくだけだから…」とかさあ…ねえ!?

ダルホドくん化に関しては、7年前の事件の関係者がみんな「誰かに見張られている気がする」と言っていたのも関係あるかと思います。なるほどくん自身もきっと監視されていると感じていただろうし、だからこそ自分を陥れた人間への反撃のチャンスに備えて、表面上はちゃらんぽらんに振る舞っていたのかなあ。ていうか霧人の黒いサイコロックを解除したかったなあ!!!

新主人公のオドロキくんはあくまでも傍観者的立場というか、なるほどくんが動かす舞台の登場人物という印象が強かったので、いまプレイ中の5ではどんなオドロキくんが見られるのか楽しみ。5だとなるほどくんの態度が柔らかくなってるのは7年間の荷が降りたのと、オドロキくんが信頼されたことによるのかな〜。嬉しいね!そういえば、4で事務所のザックの写真を調べた時のみぬきちゃんの発言が「憧れのマジシャンなんですよ〜」から「みぬきのパパです」に変わっていったのは心を…開いている…!ってちょっと感動した。

わたしがヒロインで一番好きなのはみぬきちゃんです。明るくて元気なのは逆裁ヒロインに共通するところだけど、なるほどくん譲りの辛辣さがすごくツボ。あと人の感情の動きが見えてしまう子なのでどこか影があるように感じてしまい…わたしの琴線に触れる…。その力ゆえに順応性が高い…というか高くならざるを得なかったであろうところもその歳で背負うものじゃない切なさがあって好きだ…。5と6はメインヒロインじゃないからさみしいけど親子の会話いっぱいあると良いな!一番見たい親子会話はDS時代の有料DLCで…しかも移植版に収録されてなくて…。「パパも、みぬきがパパを殺したらかばってくれる?」「そもそも、殺さないでほしいなあ」ってやつなんですけど…。本当に収録されてないの?なんで……………。ちなみに一番好きな4の親子会話はオドロキくんを手伝わせるように仕向けた後の「釣れたねえ、パパ」「釣れたねえ、みぬき」…。何やこの親子!!!!!!!(萌)


とりとめのない嬉しいこと記録

今は稼働していないまったく別分野・別アカの相互さんが作家として初の単行本を出す、というポストがこのオタクアカウントに回ってきてめちゃくちゃびっくりした。相互さんと言ってももうずいぶんやり取りしてないしログインもしてないアカウントだけど、おめでとうございます!と喜ばしい気持ちになったし、すごく素敵な文章を書かれる人なのでデビューにも納得できた。
その人(以下Yさん)と繋がったのはわたしが少しまじめに詩やら散文やらを書いてた時期のことで、noteの投稿が入り口となり、Twitterまでもフォローしてくれた。Yさんはわたしの文章を読んで「昔大好きだったテキストサイトの管理人じゃないだろうか」と思ったらしくDMをくれた。残念ながら人違いだったけれど、そんなに思い入れのある方と重ねてもらえたのは単純に嬉しかった。
わたしもYさんの文章がとても好きだった。Yさんはエッセイを書いていた。ぼうっとしていたら見逃してしまうような心情や風景を細やかに、けれど客観的な視点を忘れずにいて決して大げさに感情を組み込まない、そんな心地いい距離感でものを書く人だった。Yさんと直接やりとりした回数は少ないしわたしがそのアカウントで活動してたのも2〜3年(しかも低浮上)だったけれど、二次ではないオリジナルの文章を全部好きだと褒めてくれるYさんの存在は本当にありがたく、純粋な自己肯定に繋がっていたように思う。(二次で言葉をかけてもらうのもとっても嬉しいです!言わずもがな!)
Yさんが初めて雑誌にエッセイを寄稿した時はすぐに買いに走った。買いに行きます!と本人にもお伝えしたものの、読んだ報告をできてないのがいまだに心残りで、でも今さら話しかけるのも…とまごまごしてもう数年が経ってしまった。これからも今さら…と思って話しかけられないし、そっと見守るだけになると思う。それでもわたしに書き続ける力をくれたYさんのことはおそらくずっと忘れないし、たとえYさんがわたしを覚えてなくても陰ながら応援し続けたい。

ネットの隅でこそこそ文章を書いたり消したり沈黙したりして20年近くになる。詩はもう書いていないけれど、途切れ途切れでもやめたりしなければ素敵な出会いがあるんだなと思わせてくれたことを、不意のリポストで思い出した。

2024年4月前半の記録

4月前半に観たもの読んだもの記録

▶観たもの プリンセスと魔法のキス

めちゃくちゃ良かったんだけど…なんでわたしは今までこれを観てなかった…?それくらい素晴らしかった。
自ら運命を切り開くタイプの主人公でとても好感が持てた。ナヴィーン王子の「僕は料理、きみはダンス」の台詞が好き。友達のシャーロットは金持ちと結婚するぜ!ってクセの強いタイプではあるけど友情に厚いのが泣かせる。一生ティアナと仲良くしてくれ〜!レイのアレは…話の繋げ方がうますぎてほえ〜て感動していた。あとファシリエにさあ〜アラスター要素をめちゃくちゃ感じて…s2以降で悪人として成敗されるならあの退場の仕方してほしいな…。
序盤のミュージカルシーンでアニメのタッチが変わるのが最高に好き!舞台であるニューオリンズはジャズの街らしいので、だからなのか音楽にとても力が入ってたように感じた。今まであんまりD作品積極的に観てなかったけど、D作品の2Dアニメって動きの細やかさや演出が本当に素晴らしいですよね…。これが最後の2D映画らしいけど、ほんとにもう作らないんですか!?一生!?

クルエラ

最高だった〜〜〜〜〜〜!!!今のところ2024年に見た映画で一番好きかもしれない。とにかくファッショナブルでどの衣装も素敵だった!お話自体はシンプルでわかりやすいので、それがワクワクする演出や美術をより引き立ててくれてる。犬が頑張ってるのもかわいい。悪属性の強い女対決ってどうしてこう燃えるんだろう。お互いバチバチしてて絶対引かねえ!って感じなのでドロドロというより見ててスカッとする。エステラとしてのエマ・ストーンもクルエラとしてのエマ・ストーンもとにかく表情が良かったです。クルエラからエステラに戻って母への想いを吐露するシーンがすごく好き。
クルエラは悪魔に魂を売り渡したことで一度は苦労を分かち合ってきた家族を駒のように扱うけど、家族愛は血の繋がりではないと知ったからこそ、最終的に取り戻すことができたのかな。ほかの誰に理解されなくてもこの人たちがわかっていればそれでいい…って感じのバルコニーのシーンがお気に入り。
成り上がりヴィランの野心メラメラ・頭の回転が速い・人間臭さがあるってところがめちゃくちゃ好きなんですよね。苦労した経験も彼らを形成する一部になってるのが感じられて…。
▶読んだもの

掃除婦のための手引き書 / ルシア・ベルリン
壮絶な話が多いのに淡々とした語り口のおかげか悲劇的な雰囲気はあまり漂ってない。こんな不幸はよくあるもので、なんら特別な人生ではないよと言われているようだった。『ママ』の最後が好き。母の人生に想いを馳せ、ひどいことばかりしてきた母を許せる気がすると言う妹に対して、主人公である姉が思う「私に…そんな優しさはない。」の一文が重い。
ささっと読むには全然向いてない!シンプルで過不足ない文章だけど、それゆえに行間に込められているものを想像しながら読まないと、取りこぼすものがあまりにも多くなる。手元に置いて、今日1日はこれ!と決めてひとつの短編をゆっくりゆっくり読むようなそんな読み方が合ってる気がする。

第三の嘘 / アゴタ・クリストフ
MOTHER3の兄弟の名前の元ネタと知って『ふたりの証拠』とあわせて読み始めた。基本的に過酷な出来事の連続なんだけど、たまに光が差すように穏やかな時間が訪れて、でも彼らはその幸せを自ら捨ててしまうから悲しい。
クラウスを無碍に扱いリュカを切望する母。母とクラウスに会いたいリュカ。母の世話をし、リュカの訪問に怯えるクラウス。たとえ母の愛が与えられなくても必要とされる今を手放したくなくて、クラウスはリュカを拒絶したのだと解釈した。最後はたぶんクラウスもリュカと同じ結末を辿るのかな…。
悪童日記は以前に読んでたけどこれを機に読み返しました。悪童日記大好きなので、その面白さを改めて実感した。MOTHER3あんまり進めてないけどこの三部作読んだらめちゃくちゃ不安になる…。さすがにここまでにはならないよね?ねぇ!他の人の感想を読んでたらうみねこのなく頃にと同じ構図ってあって、おかげでどっちの作品も若干解像度が深まった(気がする)。


諸事情でディズニープラスに再加入したんだけど、親切な方々の英知により面白い作品に出会えて大変ハッピーです!ありがとうございます!家の中で長時間座って映像見るのが苦手なので休み休みにはなるけど、教えてもらった作品色々見てみます!あ、スキップとローファーも今毎日1話ずつ読んでる!志摩くんがどんどんひねたところを出してきててとても嬉しいです。D作品に限らずおすすめは常に募集してるので何卒よろしくお願いします!!!私のおすすめはハズビン・ホテルです。すいません永遠に言ってて…本当に良いから…。冬インテのオンリー出たいな!

2024年1月前半の記録

1月前半に読んだもの遊んだもの記録

▶読んだもの

キャクストン私設図書館 / ジョン・コナリー
表題作の『キャクストン私設図書館』とその後日談は比較的明るくユーモアのある話だったけれど、『裂かれた地図書』という中編はなかなかに残酷で不気味で、呪われた本から生まれた得体の知れない怪物が現実世界に侵食してくる恐ろしさを描いている。グロテスクな描写が多いけど文字なのでそんなに気にならなかった。前回の『失われたものたちの本』の方が童話をベースにしてるからわかりやすかったかな。小説の登場人物たちが現実世界に顕現して図書館に住んでいるという『キャクストン~』の設定が面白かったのでまた書いてくれないかな~。

五月 その他の短編 / アリ・スミス
表題作の『五月』は木に恋してしまう女性とその恋人の話なんですが、読みながら大島弓子のダリアの帯(流産をきっかけにどんどんおかしくなっていく妻と、そんな妻に向き合う夫の話)を思い出した。というか全編にわたって、世の中と隔絶された自分の心の世界を描くところに大島弓子の世界観に似たものを感じました。
これは翻訳の力も大きいと思うんですけど、読み終わってからタイトルを見るとハッとさせられる。ベッドの中で浮気を告白する恋人たちの話『信じてほしい』、死神とすれ違った話『生きるということ』とか。これだけ書くとそのままっぽくて陳腐に感じるかもしれないけど、読んでみると実にしっくりくるタイトルです。文章自体にも魅力があって、細やかで詩的な表現もあるけれど状況だけを短く淡々と積み重ねていく書き方もあり、そのバランスのおかげでいやな湿っぽさは感じず、たとえるなら乾いた冬の空気の中にいるようでした。
好きだった文章。

夏の空気が流れこむ。夏は何度も巡ってくるが、少しも老いる気配がない。いつも滑らかなまま何度でも繰り返し戻ってくるように見える、でも本当はターンテーブルにのせた45回転のレコードみたいに取り返しがつかないほどに古びている、それか、その古い45回転のレコードをターンテーブルから取り上げて、今日のように風のない日に運河の水面めがけて円盤のように投げて、それが沈んでいったあと、まるで何も投げられず何も沈まず、最初から何も起こらなかったかのように元通り滑らかな水面を運河のほとりに立って眺めているみたいに。

(『ブッククラブ』

▶遊んだもの

ゴーストトリック
タクシューテキストを求めて…。ちょうどセールでお安くなったので!簡単に言うと死のピタゴラスイッチを止めろ!って感じの内容です。仕掛けが動き終わると殺されてしまうので、全体の動きを何度も確認しながらどこがトリガーになるのかポイントを把握して、流れを崩し阻止するのが目的。失敗してもやり直せるのは優しい。反射神経が問われる部分もあるのでジャンルとしてはパズル+ちょっとアクションかな。話の伏線が最後に繋がってカタルシスを覚えるのはさすがタクシュー…これからも着いていきます。あと相変わらず年の差男女、男と男の巨大感情があるのに安心しました。ポメラニアンのミサイルがめちゃくちゃかわいかったな〜!犬って最高!

逆転裁判123
456発売前に復習しておこう!って気持ちで再プレイしたら御剣に狂人(くるんちゅ)になってしまった。自分が大人になったからか、昔より今の方がより刺さるんですよねー、キャラも物語も。2の不穏な雰囲気と後味の悪さが大好きです。ドラマのTRICKが好きなら2の2話をやろう!でも3の華麗なる逆転に入るとやっぱり3が一番素晴らしいな…と思ってしまう。123の集大成であり、わたしの大好きな悪女・美柳ちなみが出てくるので…。
前はあんまりミス選択肢で寄り道してなかったので今回は読めるところほぼ読んでみた。本当になるほどくんってひどいやつだよね(褒めてる)。なるほどくんの失礼発言で好きなのたくさんあるんだけど、「荷星さんの頭は、同時に二つのことは処理できない!」がめちゃくちゃ言ってて大好きです。大逆転裁判からの再燃なのでなるほどくんと龍ノ介を比較してしまうんだけど、ご先祖様はあんなに穏やかで物腰柔らかなのになぜ子孫は…。でもスーパードライじゃないなるほどくんなんてなるほどくんじゃないから…。
みっちゃんの台詞はまあ贔屓目で全部好きなんですけど…。イトノコ刑事にうどん奢ったら泣きながら食べたのを見て自分も泣けてくるとか、矢張に振り回されて発狂するとか、サイコロックをさいころ錠と終始言い間違え続けるとか、もう行動がいちいちかわいいなこいつ…となる。愛車の真っ赤なスーパーカーのトランクに死体入れられたのに、趣味が悪いとか派手でイヤミとかみんなからボロクソに車の悪口言われてるかわいそうなみっちゃん。蘇る逆転はみっちゃんの職員駐車場の駐車券が見れたので、存在の解像度を上げることができた。嬉しいね。ハイスペック完璧イケメンに見えて真面目堅物天然不器用!そんな男が好きなら御剣怜侍をよろしくお願いします。
あと一週間で456発売なので楽しみ〜!4から入って、まだ56は遊んでないのでまだ見ぬ逆転裁判に出会えるのが嬉しいです。4のダルホド〜とみぬきちゃんの成歩堂親子が狂おしく好きなのでまた会えると思うと泣いちゃう。


今月はあんまり観たい映画ないな~って思ってたけど、カラオケ行こ!上映されたんですね…!漫画の実写化じゃなくて漫画の映画化って言われてると聞いて俄然観たくなりました。原作が最高!だったので期待できるなー。終わらないうちに行きたいよ~。